300万円払う人はすごいじゃないか

では、これらの会合と比べて、トータル・ライフ・コミュニティーはどのような点がもっとも違っているのだろうか。まずは、山口恭一のことばでそれを確認してみよう。
「だれでも入れるのではなく、やはり、人を大事にする人、コミュニケーションを大事にする人、それに価値観をもっている人、そこから生まれるナマ情報を大切にする人が集まっているということです。これが一番違うところでしょうね。
しかも、集まっているのは、ギブ・アンド・ギブの精神をもった人ばかり。これはじつはたいへんなことなんです。仮に、30人が集まって、1人ずつ情報を公開したとする。すると、全員が29の情報を手にできるんです。自分がひとつ出すことによって29の情報が入ってくる。他の交流団体では、どうしても、もらおうもらおうとしている人ばかりが集まっていますからね。この違いは大きい」
ギブ・アンド・ギブの精神が徹底しているから、結局見返りが大きいというのだ。
会員企業募集要綱に記された入会条件を見てみよう。
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1.明るくプラス発想で、アントレプレナーシップ(起業家精神)がある事。
2.経営者または経営者に準じた決定権者である事。
3.経営の安定した健全なる法人である事。
4.1商圏地域にっき1業種1社である事。(ただし東京都内・大阪府内はフリーとする)
5.出資金300万円、販促資料費25万円、入会金25万円の合計350万円全額を払い込む事。(支払いは分割でもかまわない)
6.入会後、会費2万円を毎月納入する事。
7.入会後1年以内に、TLC共済会員を200ロ以上獲得する努力をする事。
8.会員企業・ブロック会員の拡大に積極的に協力する事。
9.総会・アイディア会議・ブロック会議に積極的に参加する事。
10.代表者の他に、事務担当者(兼務可)を1名配置する事。
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さて、これらの条件に、山口恭一のことばをつけくわえておこう。
「これらの条件を満たしていれば、会社の規模は関係ありません。赤字も黒字も関係ない。健全な経営さえなされていればいいのです。これらの条件は、簡単なようで、じつは意外と難しいんですね。明るいけれど、うごきたがらない経営者も多いし、『人が好きだ』と口ではいっていても、実際にはそれほどでもないという人も多い。それからこれは条件というのではないけれど、まあ、こちらとしては、ツイている人に入会してほしいですね。ツカない人が入ると、まわりもツカなくなってしまう。そして、自分の情報をオープンにできる人。ギブ・アンド・ギプの精神をもった人に入ってほしい」
入会希望の会員がいる場合には、山口恭一本人か、事務局長かが、かならず面談をする。その際、入会を断るケースもまれにあるという。
「目先我欲主義の人は、お断りします。会社の内容ではなく、その経営者の資質ですね。会えばわかりますから、そういう人はお断りですね。やはり、直接ビジネスに結びつかなくとも、人間の交わりを大切にする人に入ってほしいですから」
出資金は300万円とかなりの割高だが、これについて山口恭一は次のようにいっている。
「大学生のコンパじゃあるまいし、1万円程度の会費で誰が真剣に身をいれて参加しますか。1万円の会費では、1万円の中身しかない」
たしかに300万円の出資金を払ってまで参加しようとする会員は、それ以上のものを得ようとして熱心にならざるを得ない。
300万という金額は義理だけで払える金額でもない。また、経営者でも300万円はけっして少ない額ではないから、それをボンと払えるようならば、会社の経営が健全であるという証明にもなるだろう。
もちろん、300万円という額を聞いて、入会に二の足を踏む経営者は多い。しかし、彼らの多くは、山口恭一と話しているうちに、彼の魅力に負けて入会しているのである。
いや、この表現は正確さを欠いているかもしれない。
山口恭一に会ったとき、「生意気な奴だ」という印象をもつ人もいるかもしれない。しかし、話をするうちに、「なかなかしっかりしたことをいう」に変わり、やがて、「この男はすごい。なにかやりそうだから一緒に組んでみよう」に変わっていくようだ。
300万円を出資する会員もすごければ、それをださせてしまう山口恭一という男もすごいのである。
しかし、それにしても、300万円というのは、けっこうな額である。これについて、事務局ではどう考えているのか。中村事務局長に聞いてみた。
「トータル・ライフ・コミュニティーの普及活動には、幕末の志士と同じ熱い思いが必要なんです。その熱い思いを感じとる人に入会していただきたいんです。つまり、300万円の価値観を感じる人だけに入会していただければいいと思っています。確かにね、一般の会社で300万円といえば、粗利20パーセントとしても、1500万円の売り上げをあげなくてはならない。これを払ってしまうと、今月の社員の給料が払えない……なんていうところには、無理して入っていただかなくてもけっこうなんです。目先の利益だけを考えている企業には、出せる額ではないですからね。メンバーたちがよく口にするのは、『300万円じゃ、ソバ屋一軒出せない』『クラウンも買えない』『事務員一人の1年分の経費にもならない』ということ。300万円は、稼ぎだすのは大変でも、使いではあまりないんです。もちろん、本格的な事業を起こすには、最低でも1000万円単位のお金が必要ですからね。これはまあ勉強代の範囲なんですよ。そう考えられる人だけが入会していただければいいと思っているんです」
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トータル・ライフ・コミュニティー設立の基本戦略
■どういう団体をつくるのか
1.情報・人脈・コミュニケーションについて同じ価値観をもっているグループ
2.明るくて積極的なプラス発想経営者のグループ
3.実践的交流のできるグループ
■どうやってつくるのか
1.50社を集める募集コストが6,000万円
2.「夢」に200万円を出資できる人を集める
3.募集テーマ … データーベースの構築/女性の組織化
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