坂本竜馬は偉大な元祖人脈ネットワーカー

では、当の山口恭一自身は、“情報”についていったいどう考えているのだろうか。
「情報」ということが話題にのぼると、彼はしばしば坂本竜馬を引用する。坂本竜馬の思想を引用するのではない。彼の行動を例にとるのだ。
読者がご存知のように、坂本竜馬は、土佐藩の郷士である。封建的な幕藩体制の政治的な地位からみれば、小物も小物。取るに足らぬ存在にすぎない。
しかし、そんな取るに足らぬ男が、情報ネットワークの中枢にいたために、いや、情報ネットワークを自分で築きあげたために、明治維新のための大きな働きをした。山口恭一のことばを聴こう。
電話も自動車もなかった時代に、彼は日本全国を自分の脚で歩きまわり、多くの人材に会っている。江戸の勝海舟、薩摩の西郷隆盛などなど、全国各地の偉大な人物を尋ね歩き、日本がこれからどうあるべきなのかを徹底的に議論している。それが結局幕府を倒し、新しい政府をつくる機運を醸す土壌となっている。彼が全国を歩き回らなければ、倒幕のネットワークは形成されなかったから、明治維新が実現したかどうかもわからない。
その意味で、竜馬は、日本の元祖ネットワーカーだといえるでしょう。おこがましいようだけど、ぼくの日標も竜馬にある。全国の有能な人材と情報を交換しあって、あたらしいビジネスや文化をつくりあげていく。それこそ、現代の坂本竜馬であるアントレプレチーの仕事だと思うんです。
意気軒昂たる山口恭一の情報論だが、ここでいますこし理解を深めるために、彼のプロフィールについて書いておこう。山口恭一という男や彼が主催するトータル・ライフ・コミュニティーが、どのような戦略をもって情報に対応しているかを理解する手掛かりになるだろう。