人間が混じり合えば、そこは情報の溶鉱炉

静岡経済研究所の経営相談部室長・日原行隆氏は、昨年夏のアメリカでの体験を踏まえて語ってくれた。
昨年の夏、アメリカの大学に留学したんですが、一日中びっしりと勉強していました。
大学の寮から教室まで、歩いて30分かかる。そこを毎日朝と午後往復していた。非常にゆったりした環境なんですが、自分の部屋には、テレビはおろか、電話も新聞もない。最初、私は、「銀行にいじめられている」と感じていたんですが、しばらくしてなれてくると、「なにもないということは、こんなにいいことなのか」と感じるようになり、銀行に感謝する気持ちが生まれてきた。
いまの世の中、なんでもある。しかし、何もない状態というのも、意外にいいものなんです。物がありすぎてかえって不便になってしまっている。
銀行での生活では、電話に追われていたんですが、電話がないということが、すばらしく解放的なもんだと、その時思った。われわれは、ときには情報のしがらみからふっと離れて、なにもない場所で考える時間も必要だと思う。
もうひとつ、アメリカで感じたのは、“メルティングスポット”坩堝、溶鉱炉ですね。
いま、アメリカにはメキシコ系やキューバ、南米からどんどん人がやってきています。そして、それを受け入れている。だから、混乱もあるし、どうしていいか分からない面もある。
しかしね、アメリカ人にいわせると、21世紀を見ていてくれっていうことなんです。いまは、いろいろな人を受け入れて溶鉱炉のなかで熱している状態だ。けれど、その結果は21世紀になればきちんと出るっていうんです。
たしかにそれだけの人種をひとつのところにいれて刺激しあえば、新しい文化が生まれてくる可能性が十分にある。新しいモノを生み出すためには、それだけのカオスも必要なんです。
人間 かまじりあえば、当然情報もまじりあう。そこから新しいものが生まれてくるはずです。
トータル・ライフ・コミュニティーはすばらしい経営者が集まっていますから、その結果としていい情報も集支ってくる。そこから自然にビジネスが生まれる可能性がある。無理にビジネスを生もうなどと固く考えないほうがいいでしょう。トータル・ライフ・コミュニティーは、他の交流団体と違って、主催者が権威的でないところがいいですね。そこが、この団体の大きなプラス面ですよ。
山口恭一さんは人間的な魅力をもっていますね。やはり、人の気持ちが分かる人ですよ。ただ、経営者というのは、多面的な能力が必要。まだ若いのだから、まずは自分の本業を極めてほしいですね。それが、つぎのステップになりますよ。

やはり、よりよい情報の生かし方の基本には、人と人の交わりがあるということなのだろう。山口恭一は、そんな人と人との交わりを自然体でこなせてしまう能力をもった男であるらしい。