本音と本音がぶつかりあわねば意味がない

視点が変われば、情報についての見方も変わってくる。経営者と研究者では、当然のように見方がちがっている。次は、二人の研究職の方に聴いてみた。“情報”の輪郭がこれでずいぶん明確になってくるだろう。
まずは、船井総合研究所常務取締役で経営指導本部本部長の和田一廣氏。
山口恭一氏もいってい主すが、ニュービジネス成功の条件は、なにをやるかではなく、誰がやるかということだと思います。いくらマーケットに対しての情報をもっていたところで、それがいかせなければしょうがない。
情報をビジネスにどのようにいかすかについては、いろいろいえます。しかし、その基本となるのは、あくまでも情熱とアイデア。これが出せるかどうかにかかっていると思う。だから、やはりビジネスにとって、情報は、誰がつかむかが一番重要なんじゃないですか。
異業種交流による情報の交換は、一種のブームのようになって通産省や商工会議所が中心になって主催するケースが多いようですが、期待通りの成果をあげるのが難しいのは、そういった官庁主導型ではどうしても参加者がかしこまってしって本音が出ないこと、利害得失が前面に出てしまって警戒心が働いてしまうことが障害になっているからです。情報を交換するならば、やはり本音と本音をぶつけあわなければ意味がありません。
その点、トータル・ライフ・コミュニティーは若い経営者が自分たちで作りだした異業種交流の場です。年齢的に30代の人たちが中心で、みな創業者や後継者。非常にすばらしい人間関係がある。全国から情報も集まってくる。それが基盤にあるということはすばらしいことなんです。さらにそこに共通の目的がありますね。前向きにビジネスに向かっていこうという姿勢があるんです。だから、本音でつきあえる。経営者がホンネで付き合えば、必ずプラスの効果が生まれてくるものです。
それに、トータル・ライフ・コミュニティーには、サービス業あり、製造業あり、流通業あり……で、じつにさまざまな業種の人が集まっている。そういうなかでコミュニケートすることは、それ自体価値があるんです。同業者ばかり集束っていては、まったく刺激がありませんからね。発想の転換もできません。JC(青年会議所)も頑張ってはいますが、トータル・ライフ コミュニティーには、既存の交流団体にないエネルギーを感じますね。
山口恭一氏との付き合いは、かれこれ6年ほどになりますが、私から見ていて、アイデアマンで行動力があり、若者らしく明るく素直な発想をする人だと思います。人間的にも非常に魅力があって、経営者として必要な資質をそなえているからこそ、トータル・ライフ・コミュニティーをリードしていけるんですね。欲をいえば、自分のハウスクリーニング業という本業を究めることと、彼に続く人材を育てることに期待しています。
和田氏の指摘するように、最近ではあちらこちらで異業種交流の会が開催され、情報が交換されているが、どうやら、成果をあげているところは少ないようである。その点、山口恭一個人のパーソナリティーを反映したトータル・ライフ・コミュニティーでは、本音と本音のぶつかり合いがあるために、情報にエネルギーが吹き込まれているのである。人間と人間が本気でぶつかりあったところにしか、意義ある情報は生まれてはこないというわけだ。