発信しているのも人間、受けるのも人間

転送電話は、情報のネットワークを格段に高める通信機器といえるだろうが、その老舗であるチェスコムの篠野中道社長は、さすがに情報に関してもなみなみならぬ関心を払っている。彼は、人と会うたびに「情報とはなんだと思いますか」と質問しているのだそうだ。
「情報ってなんだとお思いですか?」という質問をよくさせていただくんですが、この質問にきちんと答えられる人っていうのは、案外少ないんですよね。とくに、マスコミなど、情報に深く係わって仕事をしているほど答えられる人は少ない。
現代の社会では、情報は、一種のこだまのようなものじゃないですかね。いろんな人がいろんなことをいう。自分が情報を発信すると、それが何十倍にもなってはねかえってくるので、発信した本人がびっくりしてしまう。混じって聞こえる雑音も非常に多い。どうしても、クリアーにはなりにくい面がある。
でね、そんなさまざまな情報が飛び交っていますが、ひとつだけ確かなことは、「本人に関係のない情報は役に立たない」ということです。これは、単純なようでいて、つい忘れがちな真理だと思います。
情報は、結局のところ、人に行き着く。発信しているのも人間なら、受けているのも人間。いい人のまわりには、質の高い情報が集まっているし、それを理解する人も大勢いる。
情報が人に行き着くというのは、どういうことかというと、人が磁石の役割を果たして情報を吸い寄せるということなんです。たとえば、「自分は○○をやりたい」と常々人にいっていると、それを聴いた人から、「それなら、××でできるよ」とか、「こんな面で協力しようか」とか、「誰それに聴けばよく知っているよ」とかいった情報が集まってくる。そういうことなんですよ。
だからね、情報っていうのは、あくまでそれを求める人のところに集まってくる。新しいモノをつくり出す力のある人のところには、そのために必要な質の高い情報がどんどん集まってくるものです。

つまり、情報とは、自分の希望や欲求を建設的に満たしてくれるものということなのだろう。
篠野社長の意見には、なるほどとうなずけるものがある。望んでさえいれば、現代では、情報のほうが自分を追いかけてくれるということなのだろう。