ポーカーフェイスに隠された大胆発想

では、三上は、いったいどのような人脈戦略をとっているのだろうか。
「すばらしい人との出会いがあれば、事業の方向性どころか、人生観まで変わってしまうんじゃないですか」
とさりげなくいってしまう三上は、
「人間は人と触れ合うことでしか成長しない」
と断言する。
三上も、以前は、とにかく誰とでも会うようにしていたという。とにかくたくさんの人と出会って、付き合っていきたいと考えていたそうだ。その頃は、名刺がたくさん集まればそれでいいと思っていた。
「いまは焦らない。むしろ、1人ひとりとゆっくりお付き合いをしていきたんですね。だから、勉強会でも、講師がいて講演をするといったセミナー形式の一方通行のものは出ません。受け身になって人の話を聴いていてもしょうがない。交流会形式のものならば、なるべく参加するようにしています」
彼には人生の転機をあたえてくれた人物が何人もいるという。また、プラネッツや東洋物産グループの社員にも、影響を受けている人物がいるという。そんな自然なむすびつきが拡がりをもってきて、いまでは。実に層の厚い人脈が形成されている。
そのような人脈を作り上げるうえで、プラスになった彼の性格があるという。
「吸収力というか、自分でいうのもおかしいけれど、物事を素直に受け入れる体質をもっているんですよ、ぼくは。そういう面では、得をしていると思いますね。そして、もう一つ自慢できるところは、すばらしい人にめぐりあえる運があるということでしょうね」
そんな社長を社員はいったいどうみているのだろうか。
三上が健康食品の分野をまかせている稲垣は、つぎのようにいう。
「ポーカーフェイスのところがあって、悪くいえば、なにを考えているのかよくわからない。ときには、無理して我慢しているところもあるんじゃないかと思いますが、細かいところは口にせずに、社員一人ひとりにまかせてしまうタイプですね」
ポーカーフェイスだからこそ、大胆な発想を淡々と遂行することができるのかもしれない。
さて、最後にトータル・ライフ・コミュニティーの山口恭一から見た三上評。
「最初はおとなしい人だという印象があった。話を聴いているうちに、うちに秘めた闘志をもっている人だと思いましたね。表面はやさしいけれど、心のなかではなにかが燃えている。それでいて包み込むようなやさしさがある。ぼくとの対比でいってみれば、ぼくは表に出てぐいぐい人をひっぱっていくタイプだけど、彼は、人に任せてしまってやらせるタイプ。若い経営者には、珍しいタイプだろうと思う。それでいて、きちんと大事なところは見ている。まあ、欠点といえば、やさしすぎて人に文句のいえないところかもしれないな」
ポーカーフェイスの三上だからこそ、日本全国の消費者をネットワーク化するといった大胆なビジネスを、いつのまにか実現してしまう可能性があるのかもしれない。