情熱のない大企業は参加お断り

プラネッツでは現在もフランチャイジーを募集しているが、資金が余っているとか、余剰人員対策としてエリアを確保するといったような大手企業の参加は断っているという。そのような大手が参加すれば、本部のヘゲモニーをそちらにとられてしまうという心配からではない。
三上はいう。
「これがプラネッツのプラネッツたる所以なんですが、たしかに大手さんでも、マニュアル通りにやっていただければ、レディーさんは集まるし、宅配の展開もできる。利益もそこそこあがるでしょう。しかし、そういう単純な発想でやってもらうんではこまるんです。ただ、『利益があがるから』という発想からだけでは、このネットワークの末端から汲み上げられる情報が見えてこないんですよ。ですから、参加していただく限りは、オーナーなり、責任者なりが、全力を投入してもらわなければならない。資金がある程度かかりますから、個人参加というのは少ないでしょうが、参加する限りは、情熱をかたむけてもらいたいんです。そうしなければ、新しい情報が見えてこない」
三上がフランチャイズに参加すると予想しているのは、中小企業のオーナーである。各種の業界からの参加があれば、そこでも情報交換ができるし、ビジネスが広がっていく。期せずして、異業種交流によるビジネスの活性化がはかれるわけだ。そこで、また新しいビジネスが生まれてくる可能性がある。
つまり、プラネッツというネットワークがあることによって、どんどん新しい事業の展開が、考えられるわけだが、そのためには、利益優先の大企業では前向きな姿勢で参加が期待できないというのである。朝日新聞(1989年1月15日)のインタビューにこたえて、三上がそのあたりの事情を話しているので、それを引用してみたい。
「このビジネスはほとんど動いていないと駄目なんです。動いてると、あ、こんな使い方もあるのかといったことに気付く。可能性は限りなくあるし、こうしたネットワークができること自体がすごいことです。そして、企業と我々のふれあいレディ―が結びついて、ものごとをどう起こしていくかが、大切なことだと思うんです」
彼の考えは、ここに集約されているといっていいだろう。
実際、彼が最終的に考えているのは、消費者のネットワーク化といったことだけではない。それよりさらに大きなことなのだ。
「ふれあいレディ―の消費者の組織があって、プラネッツのフランチャイズに参加した異業種交流の組織があって、さらに、プラネッツのクライアントになる企業の組織ができる。事業を継続していけば、当然、プラネッツを利用する企業も増えてくるわけですから、こちらの組織化だってできるわけです。そのなかには、地場産業もあるでしょうが、本部を通じて全国展開をはかる企業だって出てくるだろう。消費者、フランチャイズ、クライアントの企業の3つのレベルで組織化できれば、日本の経済社会のなかで、ここに絡まないものは、なにひとつない。すべてがプラネッツというネットワークにからんでくるんです。だからこそ、つぎつぎと新しいビジネスが生まれる可能性がある」
現に、このネットワークを使ったニュービジネスも計画中だということだが、残念ながら、それは明かしてもらえなかった。まだ秘密の段階だというのである。
しかし、現在九つ(1989年7月現在)あるフランチャイジーが、さらにふえて、全国2200万世帯を埋め尽くすようになれば、展開は急速度で進むと三上は言う。
「いまはまだ、3年計画、5年計画でしか仕事は進みませんが、ネットワークが完成すれば、どんなビジネスだって1年あればできてしまいます。しかも、それが本部からの発想ではなく、各フランチャイジーからの発想でできるのです。ひとつのフランチャイズが実験的にクライアントとこれこれのビジネスをやってうまくいったということであれば、即座に全国展開ができてしまう。このスケールメリットは大きいですよ。クライアントにとっては、われわれのフランチャイズをほとんど全国の営業所、支店と同じ感覚で使えるんです。しかも、営業所を設置するようなコストはかからない」
三上の夢は、大きくふくらんでいくばかりなのだ。