プラネッツ型球形フランチャイズ方式

さきほども書いたように、プラネッツには、最初から明確な青写真があったわけではない。健康食品販売のために、主婦を組織化していこうとしているうちに、アイデアがいろいろ広がってきて、現在の形にできあがったのである。
ふたたび、三上のことばに耳を傾けてみよう。
「最初は、フランチャイズなんてなんにも考えていませんでした。簡単にいえば、将来、それが健康食品の販売グループになればいいという考えだったのです。われわれの健康食品グループは、全国に展開しているものですから、そこに、プラネッッという宅配事業システムが誕生したおかげで、発想がどんどん広がってきたのです。情報誌の出版も組み込めるし、カタログ販売も可能。組織化した“ふれあいレディー”を活用すれば、なんでもできるということに気が付いたんです」
このような女性組織を作りあげるには、時間もかかるし、ノウハウも必要だ。もちろん、かなりの額の投資も必要だ。それならば、自分たちだけで使うのではなく、ダイレクトマーケティングを展開したがっている企業に使ってもらって、そちらで利益をあげればどうかという結論に達したのである。そして、やはり、この組織を全展開させるには、フランチャイズ方式が一番だという結論に達した。
ただし、日本のフランチャイズ体系では、上下の繋がりばかりが重視されるので、まずいのではないかという意見も出た。全国に広がったパートナーシップなので、縦でも横でもない、球形の結びっきでやっていこうということになったのである。
球形のフランチャイズとは、いったいどういうものか。これは、あるいは、これまでのフランチャイズの概念を覆す画期的な発想なのではないか。そのあたりをまた、三上の言葉でみていこう。
「結局、本当に許せる関係というのは、上下のないパートナーシップだと思うんです。対等な繋がりならば、お互いに助け合うことができる。お互いにしてあげられることもあるし、してもらえることもある。この繋がりは、上下のものよりもはるかに深い。だから、フランチャイズシステムも、この球形がべストだと思うんです」
従来のフランチャイズシステムは、本部から商品が下部機構に流れていく。かくかくしかじかのモノを売るにあたって、これこれの指導をしてあげるから、その通りに売りなさいーー、というトップダウン式のものであった。
たしかにこの方式ならば、モノは売れるかもしれないが、フランチャイズに参加している側に、いまひとつ、ビジネスへの意欲がわかないキライがある。
本部について行く限りは安心だという意識が働いているようでは、アントレプレナーシップが発揮される余地がないのである。これでは、フランチャイズが発展するかどうかは本部次第、参加企業側が、事業を展開していく間にせっかく得たノウハウが活用されない危険性がでてきてしまうのである。
プラネッツ型球形フランチャイズ方式の特徴は、本部と各フランチャイジーの緊密な協力体制に基づいた役割分担にある。フランチャイズ本部は全国ネットワークを完成させ、大手クライアントに活用させる。もちろん、各フランチャイジーの立ち上がりのためのマニュアルは万全に用意されている。その上で、各地域では、各フランチャイジーが、独自のノウハウを開発する。本部はこれを吸収し、それをさらに全国に伝えていく役割を果たす。
ということは、本部といえども、指導的立場に立つだけでなく、フランチャイジーと同じ立場に立って、意見を述べあい、新しい組織を作っていく立場にあるということなのだ。もちろん、事務局的な役割を果たしはするが、参加したすべてのフランチャイジーが起業家精神を発揮しなければ、このフランチャイズは、形になっていかないのである。