感性だけの経済団体を作りたい

山口恭一は、トータル・ライフ・コミュニティーの将来像について、熱い思いを語ってくれた。
「現代の勝海舟や坂本竜馬に出会うためにやっているんですから、むこうがあっと驚くことをやらなければならないと思っているんです。具体的には感性だけの経済団体を作りたいんですよ。それも大企業はなるべく入れないで、中小企業ばかりでつくりたい。討論を煮詰めるためには、アイディア会議の人数も増やしたくない。せいぜい20人から30人がいいところ。増えたとしたら、会場を3つか4つにわけてそれくらいの規模でやる。そのほうが活性化すると思う。
だから、会員企業も、50社あれば十分だと思う。それ以上増えた場合には、パート2、パート3、パート4というふうにして増やしていく。ただ、早く入会していた人は、どの会合にも出席できるようにしておきたい。
日本全体で考えれば、60万人に1社が参加しているくらいが理想だと思う。それだと全部で200社。これくらい集まればもう十分だと思う」
規模のほうはさておくとしても、山口恭一のいう「感性の経済団体」というのはなるほどとうなずけるものがある。時代はすでに論理をこえている。感性がなければ、ビジネスだろうが経営だろうが成立しないところまで来ているのである。
感性は、右脳によって培われる。右脳の発達している経営者は、ものごとのソフトな価値を発見するのがうまく、プラスを発見するのがうまい。論理で考えていては、成功がおぼつかないことでも、感性で「できる」「やれるぞ」と押し進めれば、たしかに成功してしまうケースがあるのである。
会員企業が増えれば、当然、共済会員も増えてくる。
共済会員が10万人に達したら、毎月の掛金が2億円になる。こうなれば、独自のリゾート開発もできるし、新規事業に対する融資も可能になってくる。可能性は等比級数的に膨張していくのである。ひょっとしたら、トータル・ライフ・コミュニティーの会員権が高額で販売されるなどということにならないとも限らない。「少なくともビルが建つまでは、なんとしても続けたい」と山口恭一は語る。
夢のようなとりとめもない話ばかりになってしまったが、山口恭一としては、もちろん経営者のリアリティーあふれる日を忘れているわけではない。
「なによりも大切なのは、続けていくことなんです。続けていかないと、人も情報も人脈も絶えてしまう。日先の我欲にとらわれず、どんなに苦しくても、なんとしても続けていく。そうすれば、かならずネットワークができるはずです。なにしろ、とにかくやってみることが大切なんです」
なにを語っても夢が広がっていく山口恭一は、おそらく先天的にプラス思考に生まれついた人間なのだろう。プラス思考でいる限り、どんな困難も苦難も障害も、いささかも苦にはならないわけだから、山口恭一の前には、洋々たる未来だけが広がっていることになる。
熱く未来を語る山口恭一は、
「この男ならば、きっとなにかやるだろうな」
という期待を抱かせずにはおかせない異色の人物である。