ノーリスクで高マージン

さて、実際に展示会を実施するまでには、上のタイムスケジュールのような準備が必要であるが、気になるのは、売り上げのほうである。小出が提唱している基本的な開催パターンをみてみよう。

・一車両商品総額
1憶5000万円

・人員
社員 男子 2名
女子販売員 3名
(合計5名 龍美苑負担)

・会場
広さ 30坪~50坪(会場確保は主催者が行う)
会場費 1回5万円まで(龍美苑負担)

・アルバイト
業務内容 受付・おみやげ渡しなど
1日5名~10名(人員確保は主催者が行う)
1日7000円(昼食付き・龍美苑負担)

・期間
2日間 10時~20時

・来客目標
200名

・購入者目標
50名

・1品単価
30万円

・売り上げ目標
50名×30万円=1千500万円

・パンフレット枚数
800枚(龍美苑負担)

・おみやげ
200名×2,000円相当=40万円(龍美苑負担)

このような基本パターンで、(株)龍道では、毎年400回以上の展示会を行い、すばらしい実績を残してきた。
これらの(株)龍道では、独特の展示会の後を追うようにして、トータル・ライフ・コミュニティーとの共同展示会が開かれた。

・昭和63年11月 名古屋今池ビル8階にて (株)ケーエスケーシステム協賛
プラネッツ創業1周年記念きものフェスタ
期間3日間 総売り上げ額2000万円 来客数800名

・昭和63年11月
秋田県五城目農協2階にて フレッシュライフサービス協賛
五城目農協きものまつり
期間2日間 総売り上げ額770万円 来客数160名

・昭和63年12月
山形県(株)タルイシ3TICホールにて
タルイシ総業45周年記念きものフェスタ
期間2日間 総売り上げ額1680万円 来客数230名

・昭和63年12月
土浦京成ホテルにて 筑波学園都市クリーンテニスクラブ協賛
龍美苑きものフェスタ
期間2日間 総売り上げ額340万円 来客数60名

これらの展示会は、2日間で1000万円の売り上げをこえれば成功とみなされるので、これまでの4回のトータル・ライフ・コミュニティーとの共同事業は、でこぼこはあるもののおしなべて考えれば、成功だったといえるだろう。(株)龍道とトータル・ライフ・コミュニティーでは、今後も、大阪、岩国、岐阜などで、展示会を実施するべく準備を進めている。
昭和63年12月に山形県で展示会を開いた(株)タルイシというのは、じつは工作機械工具の商社である。その会社が、きもの展示販売会などというまったくの分野違いに手を出して、とまどいはなかったのであろうか。(株)タルイシで展示会を担当した村井邦智企画管理部長は次のように語っている。
「動員は、パンフレットや案内状を配っただけなんです。そうですね、1500枚くらいは配ったでしょう。普段お世話になっている取引先とか、仕入先、金融機関、証券会社、保険会社、それにいつも購入している文房具店など、そういう方面に配ったんです。直接案内状をお渡ししたのは、男性ですが、男性を通じて、奥様やご家族の女性に来ていただければ、と思いましてね。まぁ、なかには、しょっちゅう顔を出していたなじみになっている中小企業の奥様に直接お渡ししたというケースもありますがね。お客さんの反応もたいへんよく、『お値打ちですね』とか、『品揃えが豊富ですね』という声がほとんどで、販売実績も目標を上まわり大成功だったといえるでしょうね」
実際の運営に関しては、(株)龍道のほうで、いっさい取り仕切っているので、提携者としては、それほど大きな問題はなかったのだろう。普段から付き合いのある得意先などに、案内状を送って、客を動員するのが、もっとも重要な役目だったということだろう。
エンドユーザーを対象として、商売をしているところでは、取引先への謝恩会、新規顧客の開拓、顧客の固定化などの狙いをこめているところが多いようだ。
さて、(株)龍道の小出は、トータル・ライフ・コミュニティーに入った感想をどう語っているのか。
「メンバーの方から、普段ではいいにくいような欠点を指摘してもらえるのがありがたいですね。会社を経営していると、たまにはクレームに出会うこともあるんですが、口にしてもらえるクレームというのはまだ怖くないんです。言ってもらえないクレームが1番こわい。こちらが気が付かない間に、どんどんむしばまれてしまうんですから。
トータル・ライフ・コミュニティーのメンバーからは、うちの会社の電話応対が悪いという指摘を受けたんです。山口恭一さんからも、ほかのメンバーからもいわれました。それから、わたしが不在の場合に、何時にもどるか、いつ連絡がとれるかがさっぱりわからないとも指摘されました。こんなことは、人に指摘されるまで、案外気が付かないでいるんですね。でも、指摘してもらったおかげで、いまでは改善することができました」
小出は、こればかりではない、ほかの面でも大いに山口恭一やメンバーからの影響を受けているという。