呉服の展示販売で大成功

共同事業はカシミアばかりではない。これから紹介する呉服の展示即売会も、ユニークな商法である。
もっとも、この展示即売会は、トータル・ライフ・コミュニティーのディスカッションの中から生まれてきたものではない。もともとは、名古屋の呉服の卸商社(株)龍道の社長の企画だった。どんな形の提案であれ、それを取り込んでしまうところが、トータル・ライフ・コミュニティーらしいところだろう。
(株)龍道は、既存の呉服業界の体質の古さや甘えに着目し、あらたにお客の立場に立った異業種とのジョイントによる展示会方式を5年ほど前から開催し、毎年倍々で伸び、今では年商24億円にまで伸びた呉服業界の風雲児である。
(株)龍道の企画室長をしている小出昭司は27歳。トータル・ライフ・コミュニティーに入会したとき、 「自分はまだ若いし、まず自分を理解してもらって、その上でいっしょにビジネスをやりたいという方がいれば、ぜひやりたい」
と考えていた。当時から(株)龍道では、呉服の展示販売をしていたのだが、すぐトータル・ライフ・コミュニティーにジョイントを提案したのではなかった。
入会して、1年たったころ、山口恭一が小出に話した。
「小出さんの商売はTLCにジョイントできないの?」
そこで、小出は、「龍美苑きもの展示会提案書」を提出した。企画内容は、着物の無店舗販売であった。無店舗販売では呉服業界ナンバーワンの実績を誇る自社のノウハウをトータル・ライフ・コミュニティーに公開したのである。
呉服業界は手形が幅をきかす世界だが、(株)龍道では、これをあらためて、現金決済にしていた。そのかわり、流通経路を省いて直接メーカーから買い付け、展示会を開いて、消費者にダイレクトに販売するのである。その結果、新柄で品質のよい呉服が、デパートの半値近くで販売できるのである。
もうひとつのポイントは、展示開催地の地元企業とのタイアップであった。これによって、エンドユーザーの確実な動員が見込め、売り上げアップが達成できたのであった。提携先は化粧品メーカー、美容室、農協などの女性に関係の深い企業以外にも、まったく女性とかかわりのない異業種とのジョイントも行い、そのタイアップ企業の本業にたいへんプラスになっているのである。
さらに、素人であるお客には、呉服の価格がよくわからないという弱点があった。これは、商品を選んでもらう際には、大きな障害となる部分である。
そこで(株)龍道では、この点を解消するために、セット販売を実施した。
セットは、着物、長襦袢、袋帯、帯揚、帯締、草履、バッグおよび、各商品の仕立て代から成り立っているが、振袖セットでは一般小売価格100万円のものを、39万8千円で販売。さらに、15万円から28万円のセットも用意しておいた。
もちろん、呉服選びは、客の好みが大きなポイントである。だから、セットとはいっても、柄まで指定することはしない。ある程度の幅を決めておいて、「帯はこのなかから選んでください」「草履はこのなかから選んでください」というように、選択の幅をもたせたのである。こうしておけば、お客は、値段も分かりやすく、選択の幅もあるので、その場で商品を選びやすいのである。
セットはこのほかにも、留袖セット(一般小売価格68万円が28万円)、訪問着セット(一般小売価格80万円が、29万8000円)、色無地セット(一般小売価格得43万円が19万8000円)などと豊富にそろえられていた。大島紬、喪服、附け下げ、子供用着物なども準備してあった。

展示会開催までのタイムスケジュール

1か月半前
①主催者と打合せ
②日時の決定

1か月前
①場所(会場)の決定
②パンフレットの作成

3週間前
①パンフレット出来上がり配布開始
②ポスター張りだし
③アルバイト用意(顔見知り、社員の奥様など)

2週間前
①アルバイト説明会
②見込み客リスト作成

1週間前
①最終打合せ
●パンフレット配布状況
●取り込み客リストチェック

3日前
①電話呼びかけ開始

前日
①搬入

開催当日
①朝礼により、挨拶と紹介

最終日
①終礼により、お礼と反省会及び次回の開催予定日の決定