共済会員10万人の大プラン

さて、つぎにトータル・ライラ・コミュニティーのひとつの柱である共済事についてみていこう。トータル・ライフ・コミュニティーがめざす共済事業とは何なのか。それを探っていこう。
そもそも共済事業とは、月々一定の掛金をかけて、不慮の事故や病気などにそなえるシステムである。最近では、全労済が実施している“こくみん”共済が加入者数100万人を越えて話題になっている。
トータル・ライフ・コミュニティーの共済は、“レディース・エイド・システム”というネーミングからもわかる通り、女性を対象とした共済である。300円の出資金と月々2000円の掛金をかければ、誰でも加入できる。
保障の内容は、別表を参照してもらえばわかるだろうが、基本的な共済保障ばかりでなく、互助システムとカバーリングシステムと呼ばれる払い戻し制度を併用したものである。
じつは、この共済事業を開始するにあたっては、山口恭一はさんざんな苦労をしている。弁護士とともに大蔵省に行ったにもかかわらず、「監督官庁がない」ということで相手にされなかったこともある。よく調べてみると、共済事業は、相互扶助的な性格であるために、法的な規制を受けず、したがって監督官庁も定められていないのである。しかし、へたをすれば、保険業法に抵触する可能性もあるために、念には念を入れて準備をしたのだった。いまとなっては、こんなことも笑い話ではあるが。
ともあれ、トータル・ライフ・コミュニティーでは、共済会員10万人に向かって活動を開始しているのである。
その現れが、平成元年9月に形となってでてくる。
共済に新しいタイプのものが加わるのである。
新共済は2タイプあり、両方とも企業むけのものである。これまでの共済は、個人の女性を。ターゲットにしたものだったが、新しい共済は、その枠を大きくひろげているのである。
詳しくは次のページの表をご覧いただきたいが、まずひとつは、『福利厚生プラン』。これは従業員20名未満の小規模企業を対象にしたもので、慶慰金の保障プランが組み込れているのが特徴である。しかも、本人以外の一親等家族ならば、弔慰金、出産見舞い金などが出るのが特徴である。
もうひとつは、『労災上乗せプラン』。こちらは従業員20人~30人以上の企業を対象としたものである。こちらのタイプの特徴は、入院保障金が一日3000円出ること。さらに、業務以外の24時間が保障されていることである。
労災プランなのになぜ24時間の保障が必要なのか疑問に思われる方もいるかもしれないが、これまでの労災保険では、微妙な部分での判断に問題があった。たとえば、通勤途中事故や怪我でも、会社までの最短ョースを通っていなければ、保障がおりないというケースもあった。これでは意味がないので、トータル・ライフ・コミュニティーでは、24時間保障を売り物にしたのである。
新共済について、中村事務局長はこう語っている。
「最初に出した女性向けのプランは、事務局でアイディアをねって、メンバーの承認を得て作ったものだったのです。しかし、今回の新タイプは、アイディア会議にはかり、メンバの意見を十分反映させてつくったものです。経営者の立場から、『これならば加入してもよい』というレベルを追求したので、かなり魅力あるものとなっているはずです。アイディア会議では、『こんなものじゃオレは加入しないね』などとかなり辛辣な意見も出て、練りに練り上げましたから、評判になると思います。
これからは、2年にひとつくらい、新タイプの共済を出したいと思っているんですよ。やはり、ヒットを生むには、なるべく多くの品揃えをしておかなければならない。それに、メンバーの中には、個人向けのほうが会員が集めやすい企業もあれば、企業向けのほうが会員が集めやすい企業もある。いろいろあったほうが、拡大が容易なのです」
さまざまなタイプの共済がでてくれば、会員の軸も、どんどんひろがっていくだろう。